英国をいや世界を代表する文豪として有名なシェイクスピアの4大悲劇には実はロメオとジュリエットは入っていません。シェイクスピアの作品として最も有名なのはおそらくロメオとジュリエットですから、誰でもこの作品は4大悲劇に入っていると思ってしまうのです。ちなみに4大悲劇は次の通りです
・オセロ……イスラム教徒であり黒人の将軍・オセロと白人の妻・デズデモーナを中心に、敵味方がめまぐるしく寝返るというストーリー。黒人の夫と白人の妻、敵味方がめまぐるしく変わるということからオセロゲームの名前の由来となった。
・リア王……ブリテン王だったリア王は言葉巧みな長女と次女に国を譲ったのち2人に裏切られ、事実上追い出されたリア王が、末娘の力を借りて2人と戦うも敗れてしまうお話
・ハムレット……デンマークの王子ハムレットが、父王を毒殺して王位に就き母を妃とした叔父に復讐する物語
・マクベス……スコットランドの王であるダンカンに重用されていたマクベスが主人公。 王を暗殺し、自ら王に即位してからマグダフという貴族に討たれるまでを描いた物語。
ではなぜロメオとジュリエットが4大悲劇に入っていないのか?昔から多くの人が原因、理由を議論してきましたが、これと言った決め手はありませんが、有力な事例をいくつか紹介しておきます。
①ロメオとジュリエットはシェークスピアの初期の作品で、後期の作品のように完成度が高くないから
②ロメオとジュリエットは確かに悲劇であるが、喜劇的要素も備えているし、悲劇と言うよりも恋愛がテーマになっているから
③他の4大悲劇の内容は非常に複雑で人間の欲望や嫉妬、憎しみなどを描いているのに対して、ロメオとジュリエットは二つの対立する家に翻弄される物語であり、二人の死によって両家は和解しているから ……と言ったような議論がされているようです。