「姑息な手段」という言葉を聞くと、ついつい、「卑怯な、ずるい方法」という印象を受けてしまいます。しかし、「姑息」とは、「一時しのぎである様子」と言う意味です。だから『姑息な手段』とは「卑怯な手段」ではなく「一時しのぎの手段」という意味が正しいわけです。
言葉は生きているので、次第に本来の意味とは違った意味で使われるようになり、それが定着して正しいことになってしまう事はよく有ることです。一例を挙げると、「一生懸命」という言葉は、「一所懸命」が元々使われていた言葉です。本来は武士が自分の領地や戦場などの一つの場所で懸命に頑張るという意味だったのですが、今や「一生懸命」というもともと誤用されていた言葉の方がメジャーになってしまいました。