平安時代、男女の恋愛は和歌のやりとりから始まりました。気になる相手に対して顔も見ないうちに和歌を贈る事が恋愛のスタートでした。和歌をもらった人は返歌をしなければなりません。何度かやりとりするうちに相手から受け取った和歌から相手の教養や品格、フィーリングが自分と合うかなどを感じ取っていきました。何度か和歌のやりとりをしていて、この人は私とフィーリングが合うと感じたら、そのときが恋の始まり。恋愛感情がわき上がってきたのです。自分の歌に対する返歌がいつになったら来るのかと、「そわそわ」したはずです。だから実際に相手に会うのは、何度も和歌のやり取りをしてからだったわけです。つまり平安時代は異性を選ぶ際に、見た目ではなく教養が重視されていたわけです。
今となっては考えられないような雅な恋愛の仕方ですが、現在、マッチングアプリが恋人を見つける手段のトップになったことを考えると、形は変わったのですが、平安の恋愛の形が受け継がれているのかもしれません。
