都市ガスとプロパンガスってどちらが火力が強いのでしょうか?またどちらを使う方がお得なのでしょうか?
まずは金額的な面から考えましょう。
家族4人の一般的な家庭で使う量で計算すると
・都市ガス…………7,064円
・プロパンガス… 12,916円で、断然都市ガスの方がお得です
なぜプロパンガスが高いかというと、都市ガスは地中に埋められたガス管から各家庭にガスが供給されるのに対して、プロパンガスは各家庭まで業者がプロパンガスのボンベを時々取り替えにいかなければなりません。その手間と人件費が上乗せされてしまうので、どうしてもプロパンガスの方が値段が高くなってしまいます。
ではプロパンガスと都市ガスの違いを考えてみましょう。
・都市ガスの原料は地下から採掘される天然ガスです。主成分は9割がメタンガス(CH4)です。
・プロパンガスは、プロパン(C3H8)とブタン(C4H10)を主成分とする炭素と水素の化合物が混ざったものです。燃焼物の熱量はどれだけ炭素Cが含まれているかで決まるので、単純に考えるとメタンがCが一つしか無いのに対して、プロパンは3,ブタンは4炭素を持っていますので、都市ガスよりも圧倒的にプロパンガスの方が熱量が高くなります。
詳しく調べて見ると、プロパンの発熱量は、 気体のプロパン1m3を燃やすと99MJ(24,000Kcal)、ブタン1m3は128MJ(31,000Kcal)です。 これに対して都市ガス1m3は46MJ(11,000Kcal)です。 気体のプロパンは都市ガスより約2.2倍の熱量があるんです。
2倍以上の熱量がある割には、ガスコンロで見る炎を見る限り、さほど都市ガスとプロパンガスのコンロの違いは分かりませんよね。実はプロパンガスは熱量が高いので、都市ガスのコンロよりもガスの流入量が半分になるように作られているのです。だから家庭用のガスコンロでは都市ガスとプロパンガスの火力の違いはほぼ無いわけです。
よくプロパンガスと都市ガスのコンロを間違えて使うと危ないという話を耳にしますが、危ないのはプロパンガスなのに都市ガスのコンロを使った場合です。通常の2倍の火力が出てしまいます。逆に都市ガスにプロパンガスのコンロを使うと、マックスにしても中火程度の火力しか出せません。
昔私が中華料理やでアルバイトをしている時に、その店は都会の真ん中の都市ガスが来ている所なのに、わざわざプロパンガスを使っているのを知って、なぜ都市ガスを使わないのかとオーナーに聞いたことがあります。そのときにプロパンガスの方が火力が強いので、特に中華料理は強い火力必要とするのであえてプロパンガスを使っているのだという事を教えてもらったのです。たしかに中華料理やでチャーハンを作るときなんか、ものすごい炎がコンロから出てくるのを目にしますよね。当然プロが使うガスコンロはガスの量を半分に制限していませんのでものすごい火力を出すことが出来ます。