「もう限界だ、このあたりが潮時だ、手を引こう。」という風に撤退するタイミングという意味で使われる事が多い表現ですが、実は誤用です。「潮時」の本来の意味は漁師が網を入れるのに最も良い潮の流れが来ている時だというポジティブな意味で使われるのが本来の使い方です。ネガティブな意味で使われる表現ではなかったのです。
言葉というものは、生きているので、次第に本来の意味とは違った意味で使われるようになり、それが定着して正しいことになってしまう事はよく有ることです。一例を挙げると、「一生懸命」という言葉は、「一所懸命」が元々使われていた言葉です。本来は武士が自分の領地や戦場などの一つの場所で懸命に頑張るという意味だったのですが、今や「一生懸命」というもともと誤用されていた言葉の方がメジャーになってしまいました。